法榮山本泰寺 住職 鵜澤 恭温 様

(ほうえいざんほんたいじ じゅうしょく うざわ きょうおん さま)

第3回

神社仏閣が好きなんです、って話をよく耳にします。でも、お寺って入っていいの?っていう質問もされてしまうのです。じゃ、お寺の人に訊いてみよう!と思ったときに、ちょうどお話を伺う機会がありました。  今では「開かれたお寺」という言葉もよく耳にするようになりましたが、その過渡期を経験なさった本泰寺のご住職がどのような試みをしてきたのか、今の取組を併せてお伝えしたいと思います!


―――今日もお忙しそうですが、たくさんの方がお越しになっていますね。こんなお忙しい日にうかがって良かったのですか?

 

法榮山本泰寺 住職 鵜澤 恭温 様 お参りいただいてありがとうございます。今日のように法要にたくさんの方が来てくださるのは本当にありがたいことです。確かに忙しいのですが、来てくださる方を大切にしたいと思っています。今日は大丈夫ですよ。ただし、本当に時間が取れないこともありますので、その際はご容赦いただきたいですね(笑)

 この間、境内の草取りをしていたんだけど、寺町めぐりの団体さんがいらっしゃって門前で説明をしていたんですよ。案内してる人が知った人だったから「良かったら中に入って見て行って下さい」って、声をかけたんです。そしたら、ものすごくビックリされちゃって。入っちゃいけないと思ってたって言われてしまったんです。もちろん入っていただいて構いませんし、声をかけてもらえれば本堂の中にも入っていただけます。立ち寄ってもらえるようにもっと努力しないといけないなと感じましたね。…「ご自由にお入りください」って立て札でも立てようかな…。

 

―――それがあれば、みんな入っちゃいますね。ぜひ前向きにご検討下さい! 基本的な質問かもしれませんが、お寺って檀家さん以外の人もそんなに簡単に入っちゃっていいものですか?

 

 もちろんですよ!もっと気軽に訪ねてきてもらいたいですね。たくさんの方に、お寺って気軽に行っていいものだと思ってほしいです。

法榮山本泰寺 住職 鵜澤 恭温 様

 筑後の日蓮宗青年会で40年以上「川施餓鬼法要(海や川などで亡くなった方を供養する法要)」を毎年6月頃に執り行っているのですが、私がまだ若い頃(注:今でも十分若いです)、参加者が80人ほどまで減ってしまったんです。この法要は、筑後の日蓮宗寺院とその檀家さんが参加するもので、法要と説法を河原でやっていました。年々参加者が少なくなることに危機感を感じていたのですが、確かにこのやり方ではたくさんの人に来てもらえない、なんとかしないといけないと思いました。

monthly3_4 そこで、もっとたくさんの人が、壇信徒以外の一般の人にも来てもらえるようなことをしようと、まず、会場を室内のホールに変えました。全天候型ですし、椅子や設備も整っています。準備するほうも楽になりましたし、monthly3_3お越しになる方も楽になったんです。そして一番大きく変えたところが、説法をやめて、誰もが楽しめる催しを取り入れたことです。一番初めは「津軽三味線」の演奏会を開催することにしました。

 その結果、400人以上の方が参加する盛大な催しとなったのです。

 

―――80人が400人ですか!!この成果はすごいですね。でも、こんなに大きな変革をしたということは、かなりのご苦労をなさったのではないですか?

 

monthly3_5 正直、かなりの苦労をしました。1年限りといわれないように、その後何年かは筑後地区の日蓮宗寺院全てに協力をお願いしにまわったり、若い僧侶で協力して久留米駅前でビラを撒いたり、ラジオに取り上げてもらえるようにしたり。もちろん、お寺の仲間内でも賛否両論、様々な意見がありましたからすぐに一致団結して取り組めたわけではないですよ。辛い思いもしましたし、変えてしまった以上今後成功させなければというプレッシャーもすごかったですからね。とにかく必死でしたし、運よく仲間にも恵まれました。

 monthly3_6他にも、もっと日蓮宗に親しんでもらうための試みとして、福岡県青年会の僧侶で日蓮上人の劇をしたことがありました。かなり本格的で、プロの脚本演出、会場は福岡サンパレスで2000人の満員御礼!男性ばかりだったので女装もするし、素人集団ながらも笑いあり涙ありの素晴らしいものになりました。

 

 

―――2000人ですか!!私も見たかったですが、再演はないようで残念…。
ところで、よく「神社仏閣」とまとめられることが多いですが、神社に比べてお寺って入りにくいイメージがあるとい思われがちですよね。

 

monthly3_7本当に残念に思います。もともと神仏は一体で、明治時代の神仏分離で別のものとされてしまっただけなんですよ。いまでもお寺に鳥居があったり、神社の参道にお寺があったりするでしょう?どちらも大きくかけ離れたものではないのです。

 日蓮宗のご本尊をご覧になったことがありますか?ご本尊の中にたくさんの仏様のお名前が書いてあるのですが、よく見てください。ここのところ…「テンショウダイジン」と書いてあります。そうそう、漢字を見てもらうとわかるのですが「天照大神(アマテラスオオミカミ)」なんですよ。

 

―――アマテラス!それはまさに神道の「神様」ですね!!すごい。ご本尊にその名前があるということは、仏教でも神様を拝んでいいということなんでしょうか??

 

  もちろんお釈迦様が第一であることに変わりはないのですが、日本をお守りくださるたくさんの神々もお祀りし、敬い、そしてお願い申し上げるということは日蓮宗において当たり前のことなんです。

先祖やなくなった方のためにお経をあげることももちろんお寺の役割ですが、今現世を生きている方のご祈願もお寺が担うことが出来ます。神社だけではないので、ぜひお寺にもお参りやご祈願に来ていただきたいと思います。

 

―――密教ではご祈願・ご祈祷という言葉を耳にしますが、日蓮宗でもご祈願していただけるんですね。

 

monthly3_8 毎月12日には、御祈祷を行っています。日蓮上人のご命日が13日ということで、毎月その前日に皆様への感謝の気持ちでご祈祷をしています。長くお寺を留守にしてご祈祷の修行に行かせていただいた、と思っていますので、少しでも皆さんにご恩返しがしたいという思いがあります。また、お寺に足を運んでもらうきっかけになるといいと思っています。

 1月には年頭祈願も行います。この日は祈願ももちろんですが、なんといっても大抽選会が人気ですね(笑)豪華?景品をご用意して、賑やかな雰囲気の中で楽しく過ごしていただけます。もちろん檀家さん以外の方もたくさんいらっしゃいますし、どなたでも大歓迎です!

 真面目な話、もっとお寺に来てもらうために何をしたらいいのか、常日頃から真剣に考えています。たくさんの人に来てもらってこその「お寺」だという思いがありますから。そして、来てもらいたいと思っているお寺は意外とあるものなんですよ。

神社と比べられてしまうことが多いですが、入りにくい、声をかけにくいと思われてしまうのが本当に残念です。そんなことはないんだよということを、ここでもどこでもしっかりとお伝えしていけるように、これからも頑張っていこうと思っています。

是非、遊びに来てください。お待ちしています。

 

―――ありがとうございました。大抽選会…魅力的ですね!!

 

 

monthly3_9その後、調べてみましたが、日蓮宗の御祈祷のための修行というのは、本当に命を削っておこなうような凄まじいものだということです。そんな修行を終えてこられたとは思えないほど、穏やかで優しいご住職でした。毎月12日のご祈祷は本当にどなたでも参加してOK!とのことです。

ぜひ!参加してみませんか??