照光山宝積寺 住職 波多江 浩然様

(しょうこうざん ほうしゃくじ じゅうしょく はたえこうねんさま)

第7回

「照光山 宝積寺」は慶長年間(1600年頃)に開山。JR東郷駅より徒歩5分の好立地にあり、地域に根づいた幅広い活動で、檀家さんや地域の皆様に愛されているお寺です。 今回、ご住職の晋山式が行われると聞き、アノヨコノヨ編集スタッフも参加させていただきました。 ご住職の晋山式に向けた思いや、今後の抱負などについてもお聞きしましたよ♪


――晋山式、お疲れ様でした!天気も快晴で、素晴らしい式典となりましたね。
晋山式とはいわば「住職の就任式」のようなものと聞きましたが、 就任されて15年が経過された今、晋山式を行われた理由をお聞かせください。

 

“山”とはお寺のこと、そして“晋”とは進むことを意味します。
つまり晋山とは“お寺に進む”こと――僧侶が正式にお寺に入る=就任することを指します。

晋山式は住職が就任してから1、2年後くらいに催すのが一般的ですが、当寺は今回、晋山式を行うまでに15年も経過してしまいました。

というのも、私は大学卒業後教員となり、その後父の後を継いで住職になってからも15年間にわたって教員と住職を兼務していたのです。
教員も住職もやりがいがあり、どちらも全力で頑張ってきましたが、
時間的にも体力的にも余力が無く、晋山式を行う余裕がなかったのが正直なところです。

教員として職務を全うし、退職をしてから晋山式を執り行うことに決めていましたが、結局退職してからも3年間の準備期間を費やしました。
その間、実行委員の皆様と約20回にわたって打合せを重ね、施設の拡充を行うなど準備を行い、ようやく今回晋山式を執り行うことが出来たのです。皆様のご協力に心から感謝をするとともに、住職としての大切な責務を成し遂げたことに安堵していますね。

 

――晋山式では稚児行列も行われていましたね。
着物・金襴・袴などを身に着けたお子さんたちのお稚児姿、とてもかわいかったです!
この稚児行列にも何か意味があるのですか?

 

稚児行列は晋山式や落成式、お花まつりなどお祝い事の際に花を添えるイベントです。さらに子どもたちの無病息災や健やかな成長に感謝するという意味もあります。

当日は檀家さんのお子様やお孫さん、地域のお子様方など計32人の子ども達が参加してくれました。
稚児行列では慣れない着物や冠・烏帽子などを付けてグズってしまう子も多いのですが、今回は泣く子は一人もいなかったですね。写真撮影のときにふざける子もいましたが、それも子どもらしくて微笑ましかったです。

当日の写真はお寺に掲示しますが、大人になって見た際に、懐かしい嬉しい気持ちになってもらえたらと思います。
こうした行事に参加することを通じて、子どもたちにもお寺を身近に感じてもらえたら嬉しいですね。

 

――実は初めて晋山式に参加したのですが、厳粛ながらも、暖かなお祝いムードにあふれた、とても良い式でしたね。
式の中ではご住職が立ったり、平伏されたりなどを繰り返す独特の作法が印象的でした。このような作法も古来より伝わる伝統的なものなのですか?

 

そうです。まず「中宿(控えの建物)」で儀式を行い、その後お稚児さんたちと一緒に山門まで練り歩きました。
次はお寺に入る(晋山)するために門を開ける「開門式」で、ご参加いただいたご住職方と一緒に山門でお経を詠みあげてから境内に入ります。
さらに境内では「日の里地蔵尊」「大師堂」などに参拝し、最後に本堂での「晋山式」となります。

 

本山からの辞令の授与、過去帖伝授など様々な儀式がありますが、ご覧になったのは前三後一という作法ですね。辞令などを戴く前に三回、戴いた後に一回、立ったり座ったりを繰り返す、古来より伝統的に行われている作法です。

晋山式がひと通り終わったあとは、祝賀行事を執り行いました。ご出席いただいた総代さんや実行委員長、西山浄土宗の元宗務総長などより素晴らしい祝辞を頂き、身が引き締まる思いでしたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――一言で晋山式といってもいろいろな儀式・儀礼があるんですね。ご挨拶されるときの、ご住職の凛とした表情がとても印象的でした。
晋山式を行うにあたっては、どのようなことを大切にされましたか?

 

晋山式はお寺にとっては大きな行事ですが、実は住職としてスタート地点に立ったに過ぎません。
そのため、今後宝積寺をさらに皆様に愛される寺にしていくために、皆さまと繋がりをさらに深めていただけるよう心がけました。

稚児行列もその一つですし、晋山式をきっかけにお寺に気軽に来ていただけるよう、お手伝いも出来るだけ若い方たちにお願いしました。

準備に三年間の歳月を費やしましたが、振り返るとまだまだやり残したこともあります。しかし、晋山式はあくまでスタートですので、やり残したことはこれからの課題として捉え、一歩ずつやり遂げていきたいと思っています。

と言いつつも、実は実行委員の皆さんと一緒に結構楽しみながら準備していったんですよ(笑)。不十分な部分もあったと思いますが、精一杯やり切ったと思います。

 

 

――実行委員の皆様も終わったあと、とても充実した表情をされていましたね。
最後に晋山式を終えられてのご住職の今のお気持ちと、今後の抱負についてお聞かせください。

 

何よりホッとしましたね。晋山式のことはずっと気がかりでしたから。
しかし、教員と住職の二足のわらじで過ごした日々は目が回るように忙しかったものの決して無駄ではなく、住職として、そして人としてひと回り成長できたと思います。

 

今後の目標は退山式まで無事に職務を全うし、次の世代にお寺を引き継いでいくことです。
仏様、そして檀家様を中心にした陣形でお寺を支えていくとともに、時代の要望に応えた新しい活動も積極的に取り入れていきたいと考えています。
例えば、昨今の住宅事情なども考え、法要や葬儀もお寺で行えるようにしていきたいと思っています。

葬儀は葬儀会社、お寺は法要と住み分けて考える人も多いようですが、お寺でも葬儀は行えます。本堂は絢爛な装飾が施してある場合が多いので花等も必要なく、安価で行うことが出来ますよ。

 

また普照門墓地や永代供養塔など、供養面についても皆様のお悩みに積極的に応えていきたいと考えています。
こうした活動を通して、宝積寺をさらに地域や人に愛され、親しまれるお寺にしていくこと――それが私の使命であると考えています。

――ありがとうございます。宝積寺のさらなるご発展と、ご住職のご活躍を期待しています!

 

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