明光山興禅寺 住職 定直 清哲様

(みょうこうざんこうぜんじ じゅうしょく さだなお せいてつ さま)

第5回

近年、お寺でも様々な行事やイベントが行われています。その内容は法要に関することから落語、子供キャンプ、コンサートまで多種多様ですが、北九州市戸畑区にある「興禅寺」の活動のテーマは、禅宗のお寺らしく“坐禅”。 参加者の年代は様々で、新入社員や予備校生、そして毎月第2土曜日には「子供坐禅塾・興禅寺坐禅会」も開催しています。 “坐禅”と聞くとちょっと堅苦しい印象を持つ人もいますが、こちらでは幼児からおじいちゃん、おばあちゃんまで元気に参加されていると聞き、今回アノヨコノヨ編集スタッフも飛び入り参加!その後は定直清哲住職に、「なぜ坐禅会を開催されているのか」、そして「人と人との出会いの大切さ」についてお話を聞かせていただきました。


―――座禅会に初めて参加させていただきました!
警策(きょうさく※坐禅の際僧侶が持つ木の棒)で肩を叩いていただき、気持ちがキリリと引き締まったような気がします。

IMGP0205「子ども坐禅塾・興禅寺坐禅会」は、子どもたちはもちろん、年齢を問わずどなたでも参加できますが、基本的に肩は叩かないんですよ。しかしご希望があれば叩きます。

毎年地元予備校の依頼で受験生の「必勝座禅会」を行っていますが、参加した学生さんのほとんどが「気持ちを引き締めたい!」と手を挙げて、肩叩きを希望されますね。

 

 

―――坐禅は足の組み方なども難しいのでは…と心配しましたが、参加者一人ひとりが無理のない組み方で気軽に参加できるんですね ♪

そうなんですよ。まず参加者全員でお経の本を手に取り、般若心経を大きな声でお唱えする「開塾諷経(かいじゅくふぎん)」を行い、その後に足を組んで20分間×2回の坐禅をします。その際慣れた方には両足を組む結跏趺坐(けっかふざ)を、初心者の方には片足のみ組む半跏趺坐 (はIMGP7338んかふざ)をお薦めしていますが、普通の胡坐でも正座でも、足が痛い方はイス座禅でも構いません。途中で足を組み替えてもいいんですよ。

また坐禅中は「何か一つのことを考えるのではなく、どんどん思考を流してください」とお話ししています。いろいろなことを考えながら、自分自身を静かに見つめなおしていただきたい。
子どもたちにとって計40分の坐禅は長いようですが、それぞれの年齢なりに集中して取り組んでいますね。

 

―――それぞれのペースで坐禅に取り組めるんですね!それなら初心者でも気軽に参加できそうですね。
今回の坐禅会では子どもたちが参加したり、お手伝いをしたりと大活躍ですが、子どもたちを対象とした坐禅の場を作られたきっかけは?

社会が複雑化する中で、子どもたちも様々な問題をIMGP0189抱えています。私たちの子どもの頃を振り返ると、孤独や不安を感じた時、どうやって安心しましたか?やはりいろいろな方から親しみと思いやりの言葉をかけてもらっていたのではないでしょうか。

地域の繋がりが薄れる現代社会の中でお寺がそうした場になれるよう、当寺でもできることがあるのでは…と考え、始めたのがこの「子ども坐禅塾」です。

子どもたちの生活のなかで坐禅は決して慣れ親しんだものではありません。しかし、姿勢が整えば呼吸が整い、呼吸が整えば心が潤います。

そして坐禅を通して、子どもたちに自分の心を見つめてもらい、自分がかけがえのない尊い存在だと感じてほしい。それを実感できれば相手も大事にしますし、思いやりの心が育っていく…そんな場になることができればと考えています。

―――そうした“あたたかな思い”から始められた坐禅会なんですね。確かに坐禅を終えた後の子どもたちはみな晴れやかな表情になっているように見えます。
興禅寺ではその他にも、予備校生や新入社員を対象とした坐禅会も行われているそうですが、坐禅で「喝を入れてもらいたい」という方も多いのですか?

確かに企業や予備校の指導担当の方は、はじめは「気合いを入れてください!」と仰いますね。しかし坐禅とは本来そういうものではないんですよ。受験生も新入社員の方々も坐禅を通して自分と向き合い、自分を見つめ直してほしいと考えています。

「何のために受験をするのか」「この先社会で何をしていきたいのか」「自分はこれからどういう人生を歩みたいのか」など、仕事や勉強のことだけでなく、自分の性格や生き方についても、自分と静かに向き合いながら考えてほしいですね。興禅寺画像結合分

――― 今日の法話は子どもたちにも分かりやすい内容でしたが、心にしみるとても良いお話でした。
住職は理系学部出身でサラリーマンもご経験されたことがあるユニークなご経歴をお持ちですが、そうした話もぜひお聞きしたいです!

IMGP0234次の機会にぜひ(笑)。坐禅会の後は法話を行いますが、最後に感想を聞くと「和尚さんの話がおもしろかった」と言う方が結構多いんですよ。リラックスしてもらうためにいろいろな方面から話をしていますが、それが面白いらしく(笑)お寺にも親しみを持っていただいているようです。坐禅会に参加した生徒さんが「合格しました!」とわざわざ連絡をくださることもあるんですよ。

 

 

―――参加者とのふれあいを大切にされているんですね。結合分
坐禅会の後は、お菓子やお茶をいただきながら楽しく話ができる茶話会の時間が設けられていますが、参加者の皆さんがまるで旧知の仲のようにおしゃべりを楽しんでいる姿が印象的でした。

坐禅会には檀家の皆さんだけでなく、ホームページで案内を見つけて申し込まれた方もいます。大半の方が定期的に参加されており、皆さん気さくに会話を楽しまれていて、とてもアットホームな雰囲気ですよ。

私は常々「人と人との出会いこそが命である」と話していますが、坐禅会も大切な出会いの場の一つだと思います。人と人との間には目に見えない関わりや目に見えにくい関わりもありますが、無関係と思っていても実は誰もが関わり合い、支えあい、今を生かされているんですよ。
この坐禅会でも子どもたち同士が仲良くなり文通もしているようです。微笑ましいですね。

 

―――住職は戸畑祇園山笠にも参加され、地域の皆様とのふれあいも大切にされていますね。
パワフルに活動されていますが、今後、どのような活動を行っていきたいと考えられていますか

kouzenjiそうですね~。まず子どもたちを対象にした一泊二日の座禅会を実現したいですね。普段の坐禅会では出来ない「朝のおつとめ」なども体験できる充実したプログラムにしたいと思っています。

またすべての子どもたちが笑顔で健やかに過ごせるよう、子ども食堂のような取り組みもできればと考えています。何かあったら気軽に相談できる、困った時に駆け込むことができる、そんな、人々の心の真ん中にある寺でありたいですね。

 

 

―――平成26年には永代供養塔を建立されました。供養に関する施設もさらに充実を図っていらっしゃいますね。

kouzenji12現代の人々の様々な事情やご要望に合わせたご供養の形を提案しており、おかげさまでたくさんのお問合せをいただいています。

現在の納骨堂は残りわずかですが、近い将来増設も検討していますよ。
ご葬儀、ご供養、納骨堂、永代供養のことはもちろん、様々な不安や悩みなど、いつでも気軽にご相談ください。
そしてともに話をし、一緒に考えていきましょう!

 

 

―――ありがとうございました。私も次は、両足を組む結跏趺坐(けっかふざ)の坐禅にぜひチャレンジしたいです!
今後の興禅寺とご住職のご活動・ご活躍を楽しみにしています。

興禅寺のご紹介はこちらから➡明光山 興禅寺